こんにちはロクメガです。
今回は久しぶりに漫画のレビューになります。
今回は鷹岬ロックマンSSRという漫画です。
一風変わった名前の作品ですが、これはかつてコロコロコミックでロックマンEXEを連載された、鷹岬先生が読み切りで描かれた作品+描き下ろしを含んだ漫画で、その内容は、
流星のロックマン3読み切り前後編
ロックマン11 運命の歯車読み切り
描き下ろし フォルテ再開のとき
を収録したものになります。
早速レビューを始めていくことにしましょう。
なお今回は著作権に配慮し、画像データは基本使わない方向で行きます。
#このブログではロックマン関係の記事を多数公開しております。
#各種記事は下記リンクから御覧ください。
ある意味非常に豪華な一品
実を言うと本作は他のロックマンガとは一線を画しています。
というのもロックマンシリーズのマンガは、
複数の漫画家さんが同じロックマンを描くかれることはあっても、
一人の漫画家さんが複数のロックマンを描くことは稀だからです。
このマンガのように、
- 流星のロックマン
- ロックマン11
- ロックマンEXE
と同じ作品で3つも異なるロックマンが一つの書籍として載るというのはなかなか前代未聞と言えます。
かつてありが先生が書かれたロックマンマニアックスにはロックマンXメガミッションが含まれているので、それが唯一と言えるかもしれません。
よって鷹岬先生のロックマンが好きな方にとって、本作はとても贅沢なマンガの一つと言えるかもしれません。
流星のロックマン3 読み切り前後編
流星のロックマン3発売のタイミングで、その販促としてコロコロコミックに前後編で掲載されたのがこの読み切りです。
もともと流星のロックマン3の物語を簡潔に伝えるためなのか、物語は流星のロックマン3のシナリオからキャラクターを何人か抜き出した内容となっています。
- 主人公である星河スバルくん、
- 暁シドウ
- 最初のボスであるスペードマグネッツ
- ライバルキャラであるジャック
このあたりが本作において物語とバトルを構成するキャラになります。
原作ゲームをプレイ済みだと、色々と納得できる構成となっており、高岬先生が流星のことをよく理解していることがわかります。
原作の展開や物語のイベントをかなり縮めて、あるいは入れ替えて構成していますが、ゲームを知らなければ純粋にそういう物語なんだなと楽しめると同時に、原作プレイ済みのファンならそれはそれで色々と納得できる内容になっているといえます。
オックスがゴン太のウィザードとしてマンガの最初の方に描かれているのは、大胆なアレンジと言えるかもしれません。
ただあまり多くは無いかもしれませんが、この漫画を読んでから流星のロックマン3をプレイしようという方は、ちょっと楽しみを奪ってしまう可能性もあります。
私はこのゲーム事前情報無しで、いきなり強くなって変身するというわけの分からなさを実感してほしいと思っているからです。
言ってみれば変身して戦う戦士が、初めて変身して自分の強さに戸惑う感覚を味わうことができるわけです。
この感覚や戸惑いを味わえるのは本当に初見のプレイヤーだけで、事前情報を知ってしまうとそういう感覚を楽しめなくなってしまうので、これから流星のロックマン3をプレイされる予定の方は先にプレイしてから読んだほうがいいかもしれません。
後とっても大事なことなのですが、響ミソラが出てこないのはちょ~っと残念でしたw
キャラクター配置のバランスの問題はあったのかもしれませんが、なにもそんなところまで原作に寄せなくても・・・。
ここだけはこの内容ならミソラが出てきても出てこなくても原作のネタバレにはならないような気がするので、できれば出してほしかった感じがあります。
いろいろな背景を鑑みた上でこのマンガを読んだ私の意見としては、とても楽しめる内容だったといえます。
ロックマン11 運命の歯車!!
2018年にコロコロ兄貴秋号にて掲載されたロックマン11の読み切りです。
なにげに鷹岬先生が始めて本家ロックマンを書いた作品なので、貴重な作品でもあります。
今までいろんな漫画家先生が書かれたロックマンを見てきましたが、高岬先生の絵柄のロックマンというのはなかなか新鮮でございました。
あまり多くは無いページ数にしっかり本家ロックマンの魅力を詰め込んでおり、構成に関してはさすがの一言です。
まず物語開始のタイミングで
大慌てするライトット
ライトットを諌めつつロックを頼りにしているロールちゃん
メットレス状態のロック
と、短い場面でキャラクターの性格がつかめるのは素晴らしいです。
次のページではライト博士とワイリーの因縁、ダブルギアに関連するお話と続き、かなり駆け足ではありますが、物語としては自然に組み込まれていて違和感を感じさせません。
その後中ボスであるドレッドスパーク、ヒューズマン戦へと続き、それぞれの戦いで本作の特徴であるダブルギアシステムを発動。
ロックマンが自分に組み込まれたダブルギアの強さを理解していき、最終的にはヒューズマンをダブルギアで倒していくという構成になっています。
上手く読者にダブルギアの存在をアピールしながら、物語が進行していき、登場する敵に合わせて使い分けていく感じを描写しています。
やはり最大の見所はロックマンがなぜ戦うのか? をヒュースマンが問いロックマンがそれに答えるシーンですね。
このシーンにロックマンの純粋さと強さがあると思うと、なんとも胸が熱くなります。
使い古されたパターンではありますが、王道のパターンでもあるので、個人的には大好きですね~このシーン。
ロックマン、私も君が好きだよ~~~!
敗れたヒューズマンはロックマンの笑顔を見て、人間とロボットが共存する未来を信じることに決めたわけですが、このときの流れも実に美しい。
総じて長くファンをやっているユーザーの一人としては大変高い完成度の作品と言えるかもしれません。
フォルテ再開のとき
この回はロックマンエグゼ3のネタバレが多分に含まれていますので、本編及びこの感想を読まれる際はネタバレには十分ご注意ください。
子供の頃コロコロでのロックマンエグゼは読んでいましたが、その後ゲーム版をやっていて驚いたことがあります。
それはフォルテの製作者がコサック博士であったことです。
私がここに驚いた理由は漫画版でコサック博士の名前を見たことがなかった、あるいは完全に忘れていたからです。
復刻版のマンガもまだ全巻揃えて読んだわけではないので、昔の記憶を辿って思い出せる限りでは、フォルテはインターネット上に存在する特殊な力を持ったナビ程度にしか描かれていなかったように思います。
そして最終的にゲーム本編のボスを差し置いて、ロックマンや熱斗と戦って終わっていたように思います。
つまり私の知る知識では、野生に生息している動物の主とかそんな感じの扱いだったような気がしたんですよね(間違っていたら申し訳ないです。)
原作のロックマンEXE3では結局わかり会えることのなかったフォルテとコサック博士が再開し、フォルテが再び生みの親であるコサック博士に思いを馳せる。
この物語はその過程を描いた物語です。
アニメと原作で彼らの関係性はある程度頭に入っている状態で見ているわけですが、高岬先生の場合彼らの繋がりをより感じさせてくれているように思いました。
割りとギャグも多めに差し込まれており、シリアス一辺倒ではない、バランスの良さが際立っており、それぞれのキャラクターの性格もしっかり描写されていてとてもおもしろかったです。
炎斬&ブルース、熱斗&ロックマンがギャグを伴ったやり取りをしているところは今までも何度か見てきましたが、ライカも混じっているあたり、やはりこの物語は後日談なんだなぁ~というのがわかりますね。
原作が終わった跡の穏やかな感じを描写しているように思います。
フォルテに関しては、なんか私が知っている中でも、特に人間らしさとでもいいましょうか・・・。
荒くれ者で野生味の強かった頃の印象が強いせいか、本作においてはとても丸くなっているように感じました。
それでも暴力的で粗暴なところはありましたが、ロックマンの言い分に対し最終的には耳を傾けたところは、原作でも見せてくれないフォルテを見せてくれた感じで、なんだか嬉しくなりました。
コサック博士と再開したフォルテですが、心にあるわだかまりや暗い感情が消えていったのか、終盤ではとても清々しい笑顔をしていたように思います。
誰もティウンすること無く暖かく最後を迎えた感じは、ある意味とてもロックマンらしいなと思いました。
あと一応裏の王っていう設定のセレナードさんがオヤジギャグらしきものをかますのは・・・鷹岬先生の中身でしょうか・・・?
まとめ:3種類のロックマンを一度に楽しめる作品
流星のロックマン、ロックマン11、ロックマンEXEのコミカライズを一度に楽しめる非常に美味しい作品です。
どうしてもロックマンEXEは原作のネタバレに直結してしまうので、初見のユーザーに安易にオススメできる内容とは言い難いですが、少年漫画としてのクオリティは非常に高いと言って差し支えありません。
そのクオリティの高さはさすがは何十年も漫画家として活躍し続けてきた高岬先生といえるでしょう。
またロックマン漫画を書いてくださることを祈っております!
では今回はこんなところで!
最後までお読みいただきありがとうございました!