こんにちはロクメガです。
先日久しぶりにロックマンXコマンドミッションをプレイしました!
この作品は以前PS2版をプレイしたのですが、つい最近、ゲームキューブ版で高画質でプレイすることができました。
そしてPS2版とゲームキューブ版での違いについても語られるようになりましたので、ここにほぼほぼ完全な情報を持ってレビューしていきたいと思います。
早速始めていきましょう!
#このブログではロックマン関係の記事を多数公開しております。
#各種記事は下記リンクから御覧ください。
目次
特徴
まずは本作の特徴について語っていこうと思います。
ロックマンX初にして唯一のRPG
本作はロックマンXシリーズ初にして唯一のRPG作品です。
そしてロックマンXシリーズが本格的にまともなクオリティを取り戻し始めた最初の作品となります。
本作はPS2とゲームキューブ版の両方で発売された作品なのですが、それぞれに専用のモードや要素が追加されており、2周することが億劫でないなら両方遊んでも悔いの残らない作品だったかもしれません。
ちなみにPS2版にはロックマンX8の体験版トライアルキー、
ゲームキューブ版はトレジャーコインとトレジャーフィギュア
というものが用意されています。
ゲームキューブ版でのみ可能なトレジャーナビ。
キューブとアドバンスを繋げることで専用のアイテムがゲーム内で現れトレジャーコインをゲットできる。
トレジャーコインはキューブ版専用フィギュアがゲット可能な模様。 pic.twitter.com/HXDkT0jTjd— ロクメガ (@garapagosuX) March 9, 2023
当時からして大作RPGと呼ばれるものはクリアに100時間とか50時間とかかかるゲームが多かったりしましたが、本作は普通にクリアを目指すだけなら20時間ほどで終われるので、RPGの中ではプレイしやすい部類に入るかと思います。
私は当時、ロックマンXというだけでプレイした作品ではありましたが、なかなか楽しめました。
攻略本のインタビューによると、普段のシリーズ作品が30分の連載アニメなら、本作は映画を意識して制作されたようです。
確かにそんな感じの雰囲気がする作品で本作はナンバリングタイトルには登場しない、オリジナルのキャラクターたちが活躍します。
全10章で進むシナリオ
本作は明確にシナリオの合間に区切りをもうけており、章仕立てで進んでいきます。
ロックマンXではやや珍しい王道を地で行くシナリオをしていて、シンプルに熱い作品に仕上がっております。
それゆえにこれまでのシリーズと比較して、エックスの性格が若干変化してもいますが、本作にて櫻井孝宏さんによるエックスが初めて生まれ、格好いいエックスを演じてくださいました。
また、章ごとに本作オリジナルのキャラクターも追加されていき、物語を盛り上げてくれます。
中盤当たりで一通り揃って、そこから敵組織、リベリオンの幹部ボス達との戦いへと続いていき、物語は終盤に向かっていきます。
元々は8ボスをきちんと用意する予定だったらしいのですが、シナリオの都合でそのうち2体は隠しボスとされました。
これまでのXシリーズのシナリオは正直言って色々おかしかったので、本当に久しぶりにまともで格好いいエックスを堪能できるシナリオになっていると言えるかもしれません。
バトルの進行について
ここから本作のバトルシステムについて解説します。
Xオーダーシステム
一言で言うなら画面を見た瞬間バトル中の戦局を一瞬で理解できるシステムです。
もちろんシステムの詳細は理解する必要はありますが、慣れてしまえば本当に画面を見ただけで状況が理解できます。
具体的に言うなら、画面の右下にキャラクターの次の行動順と大雑把なライフの残量と状態異常が表示されており、これと言って説明が無くともわかってしまうわけです。
行動順は敵味方の早さと、後述するWEの残量によって決まります。
どこかで見たことがあるプレイヤーもいるかと思いますが、恐らくこのシステムはファイナルファンタジー10のシステムを参考に作られているのではないかと思います。
FF10のシステムに関してはゲームカタログあたりを御覧ください。
WEにサブウェポン
一般的なRPGでいうMPに該当するポイントです。
バトル開始時にキャラクターごとに設定された初期値からスタートし、ターンが回ってくるごとに一定数溜まっていき、最大で100%まで貯まります。
このエネルギーは本作においてサブウェポンとアクショントリガー(後述)を使用するために消費します。
サブウェポンはプレイアブルキャラクターに最大二つまでセットでき、このW Eを消費して使用します。
サブウェポンはボタン一つで発動し、一度発動したら取り消すことはできません。
なので後戻り不可のシステムと言えます。
このサブウェポンは一部を除いて装備するキャラクターに制限は無く、誰にでも付けることができます。
効果は色々・・・と言っておきましょう。
一般的なRPGではMPに該当するこの数字をどれだけ節約してダンジョンの最深部に進むか?
を問うものが多いかと思いますが、このゲームの場合、一つのバトルにおけるWEの管理能力が試されると考えられます。
アクショントリガー
世に言うキャラ固有の必殺技です。
こちらはほぼ全てがプレイヤーによるコマンド入力を伴うものとなっております。
- エックスならボタン押しっぱなしで離す、
- ゼロなら一定時間決まったコマンドを複数回入力して成功した回数だけ攻撃。
と言った具合に、技の成功と失敗はプレイヤーの実力に委ねられています。
本作のキャッチコピー「アクションをコマンドする」のもっともわかり易い例と言えるかもしれません。
アクショントリガーを発動するには前述したWEを50%以上ある状態で、全て使用する必要があります(エックスのみ例外)
消費したWE量によって効果の強弱や入力受付時間などが変化します。
これもまたXシリーズらしさを生み出すことに成功している要素と言えるでしょう。
ハイパーモード
このシリーズで言うアーマー装着状態のことを指します。
バトル中に任意のタイミングで、キャラクターごとに決まったターンの間だけ変身することができます。
ハイパーモードになると攻撃力や素早さが大きく上昇し、アクショントリガーの攻撃力も強化されます。
雑魚戦でトドメを刺すときに使うことで、活動ターン数をへらすこと無く使っていくというテクニックもあり、これを使っていくと攻略が割りと楽になるかと思います。
また、エックスとゼロには隠しハイパーモードが用意されています。
こちらのエックスのごついアルティメットアーマーが好きという人もいらっしゃるのではないでしょうか?
ちなみに私はこちらが好みですw
パーティーキャラクター
本作のパーティーキャラクターをネタバレにならない程度に紹介します。
エックス
ご存知このシリーズの主人公。
この作品から森久保祥太郎さんから櫻井孝宏さんに声優が変わり、以降全てのエックスを演じました。
本来彼は初代ロックマン以上に思い悩む機能を持っているという設定ですが、本作においては純粋に正義のヒーローと言う感じで描かれており、そういった描写は消えています。
今にして思えばこの思い悩むという設定・・・公式でもまともに扱いきれていないものだったんじゃないかと思えますね・・・。
今作ではロックマンゼロ風の潜入捜査用アーマーを装着。
普段とは一味違う感じのエックスになっています。
アクショントリガーは攻撃ボタンを任意の時間押しっぱなしにしてから敵全体を攻撃するチャージショット。
ハイパーモードは本作オリジナルアーマーのXファイア。
射撃タイプのエックスが格闘タイプになり、アクショントリガーも接近攻撃になります。
ちなみにXの部分はゲーム中でも攻略本でも「エックス」と読むのか「クロス」と読むのかは不明です。
攻略本にもゲーム中でもXファイアとしか記載がありません。
他に公式の書籍で読み方がはっきりしているものがあれば、情報提供願いたいです。
アクショントリガーは敵一体をチャージ攻撃するチャージコレダー
もう一つ隠しハイパーモードがあって、本作オリジナルのアルティメットアーマーがあります。
やりすぎなくらい強力で、ゲット可能なタイミング自体は早いです。
ただ本編クリア前にゲットできてしまうとゲームがつまらなくなってしまう可能性があるので、素直にクリア後にゲットしたほうが無難ではあります。
アクショントリガーはボタン連打で敵全体を攻撃するノヴァストライク。
ゼロ
こちらもこのシリーズにおける主人公の一人。
本作では少しばかり今までのゼロとは違う感じで性格が描かれています。
攻撃力に関しては他の追随を許さないだけの力を持っています。
ハイパーモードはブラックゼロ。
このシリーズではおなじみの形態ですが、カラーリングがいつもと若干違うかもです。
アクショントリガーは通常時、ブラックゼロ、共に共通でコマンドアーツ。
制限時間以内に任意のコマンドを一定回数入力し、入力成功回数だけ攻撃するというものです。
もう一つのハイパーモードはアブソリュートゼロ。
こちらのアクショントリガーは一定時間一定のコマンドを入力し続けることで攻撃するカラミティアーツ。
スパイダー
本作オリジナルキャラクター。
いわゆるキザな賞金稼ぎ。
カード型の弾丸(?)を発射して攻撃するというキャラクター。
第二章より加入。
バランスよく扱いやすいキャラクターで、主戦力として序盤から活躍します。
声優は神奈延年さん。
ハイパーモードは2ターンの間敵の攻撃も自分の回復も受け付けないトリックスター。
アクショントリガーはポーカーの役を作って作った役に応じた攻撃を行うフォーチュンカード。
ちなみに彼だけ未だにXDiVEでの実装がありません。
終盤の展開が影響しているのか?
マッシモ
第三章から登場するキャラクター。
臆病な性格の正義漢と呼ぶべきでしょうか。
声優は川津泰彦さん
両手持ちの戦斧や槍で攻撃するパワーファイター。
彼の登場エピソードは個人的にこのシリーズ屈指で熱いシナリオだと思ってます。
アクショントリガーはボタン連打で攻撃力アップと状態異常付与の成功確率を上げるベルセルクチャージ。
ハイパーモードは全身金色に輝くダイモニオン。
マリノ
本作におけるくノ一的なキャラクター。第四章から登場。
色んなところからお宝を盗む盗賊業を営んでいるようです。
鈴木真理子さん
公式イラストが背中のほうしか見えないのが一部から不評だったりするとかしないとか?
見た目通り非常に素早いキャラクター。
武器も3ヒット攻撃性能があったり、高いクリティカル率を持っていたり、デフォルトで必ず攻撃がヒットするホークアイを持っているなど、スパイダーと並んで何でもできるオールラウンドに活躍できるキャラ。
仲間になってから終盤まで大活躍するキャラクターです。
ハイパーモードは素早さが3倍になるクイックシルバー。
アクショントリガーは目押しでスロットを行って出揃った目に従って様々な効果を発揮するエモーショナルリール。
シナモン
いわゆるヒーラーポジション。マリノともども第四章から登場
見た目は看護師モチーフ。
声優は野中藍さん
攻撃性能は(隠し武器を使わなければ)大したことはなく、主にパーティーのサポートが役割となります。
彼女が味方になったタイミングから、フォースメタルを生成するフォースメタルジェネレーターが使用可能になります。
彼女のアクショントリガー、エンジェリックエイドはパーティー全体のライフを回復させるため、サブタンク節約のために常に彼女を前線に置くプレイをした人は多いことでしょう。
ハイパーモードは(見た目が)看護師からメイドになるアイアンメイデン。
アクセル
エックスとは別の方向からの射撃攻撃キャラ。
敵キャラの種類に応じて攻撃性能が向上する○○キラーシリーズを使い分けることでその強さを発揮するキャラ。
特徴こそ唯一無二ではありますが、若干器用貧乏感が否めず、マッシモとともにスタメンからは外されやすいかもしれません。
さらにハイパーモードのステルスモードはスパイダーと全く同じ性能なので、物語後半でこれを活かした戦術で差別化していきたいところです。
アクショントリガーはこれまで倒したボスに返信できるDNAチェンジ。
評価点
ここから本作の評価点について語っていきます。
Xシリーズらしさを持つバトルシステム
RPGの行動選択といえば、落ち着いて一つ一つコマンドを選んでいくイメージが有るかと思われます。
しかし本作では行動の選択に後戻りできないタイミングがあります。
攻略本によると、ロックマンX特有のスピード感を出すための措置となっており、その試みは割りと成功している部類に入るのではないかと思いました。
このXシリーズらしさというものは言語化して伝えることが非常に難しいのですが、やはり一言で言うならスピード感と呼べるものではないかと思っております。
そのスピード感を生み出しているのが上述の
Xオーダーシステム
後戻りできない選択システムと
必殺技のコマンド入力
そして何より快適なインターフェース
ではないかと個人的には判断しています。
本作は専門用語は多いですが、シナリオと密接に結びついているシステムになっているため、専門用語も割りとスルッと頭に入ってきます。
その上で快適なインターフェースが組まれているので、非常に遊びやすいバトルシステムになっています。
それが本作の快適性とスピード感の両方を生み出す原動力になっているものと考えられます。
王道の少年漫画的ストーリー
エックスがかなりシンプルな正義漢として描かれていることもあってか、本作のシナリオはこれまでのどのシリーズよりもわかりやすく、まさに王道と言えます。
思えばXシリーズにおいてここまでシンプルにまとまった王道なシナリオは初めてかもしれません。
余韻を残していたり気になる部分はあったりしますが、ナンバリングのシナリオと比較すると非常に完成度が高いといえます。
本作オリジナルキャラクター達も個性が非常に強く、それぞれ物語にしっかり絡んでくれています。
なにげに女性キャラを操作する機会のあるXシリーズは本作くらいのものでしょう。
ボス戦でもロックマンらしさがある。
本作のボス戦は初見でこそ苦労しますが、対策や戦い方を確立すると割りと簡単に倒せるというバランスになっています。
エンカウント率は高めではありますが、ボス部屋に到着する間にほとんどのザコ敵を倒すように戦っていれば苦戦しにくいギリギリのバランスになっています。
雑魚戦をなるべくサボらなければ、戦い方が確立していなくてもある程度なんとかなるとも言えます。
序盤からメガサンダー、ドメガファイアなどの投擲アイテムを購入することもでき、こういったアイテムを積極的に活用していくとさらに難易度は下がることになるでしょう。
Xオーダーシステムによる行動順の見切りとあわせて、本作のボス戦は戦略を組み立てる楽しさがあるといえるかもしれません。
豊富なやり込み要素
フィギュアと称するキャラクターの3Dグラフィックの収集
メカニロイドをクリア済みのステージに向かわせてアイテムの収集を行う派遣システム。
RPG恒例のクリア後の裏ボス攻略。
その他攻略本でも見ないと達成できないような多種多様なチャレンジなど、
本作では非常に多くのやりこみ要素があります。
個人的にはフィギュア収集要素と裏ボス撃破は多くのプレイヤーが実際に経験したことではないかと思っております。
派遣システムも普段は敵として倒すメカニロイド達を味方として使役できるシステムなので、愛着が湧いたプレイヤーもいるのではないでしょうか?
個人的にレイビットくんが常に待機画面でぴょんぴょんしているのが可愛いと思ってましたw
問題点
ここからは本作の問題点について触れていきます。
キャラバランスの悪さ
本作はキャラの個性や使用感のバリエーションはあるものの、キャラの使い勝手のバランス自体はあまりいいとは言えない面があるかなと思います。
何をやらせてもだいたい強いのが、エックス、マリノ、スパイダー。
サポートとして活躍するのがシナモン、アクセル、
攻撃性能が高めなのがゼロ、マッシモ
という感じなのですが、マッシモはパワーこそあるものの、素早さが低く、(何故か)属性ダメージが1.5倍、フォースメタル欄が一番少ない二つとなっており、扱いやすいと言える要素がなかったりします。
アクセルも○○キラーと呼ばれる武器群自体は強いのですが、ハイパーモードの性能がスパイダーと同じ、アクショントリガーも攻撃力が低めと、いざという時に強いタイプではないといえます。
結局ハイパーモードとアクショントリガーが非常に強いエックス・ゼロ・マリノに、サブタンクの節約をし易いシナモンを適宜交代して戦っていく戦術がメインとなりやすく、アクセルやマッシモは蚊帳の外になりやすいといえます。
アクセルに至ってはアクショントリガーを完全に強化仕切った頃にはその絶大な攻撃力を活かす相手がラスボスくらいしかいなかったり、それですらエックスやゼロのアクショントリガーに見劣りするなど、アクショントリガー面では不遇といえます。
愛である程度カバーするしかないのは少々つらいところです。
本作オリキャラ達の扱い
若干ネタバレになりますが、本作のオリキャラ達の扱いはシナリオを重ねるごとに悪くなっていきます。
最終的にシナリオにエックス・ゼロ・アクセルの3名以外はボイスとムービーで出てくることがなくなってしまいます。
エンディングもやたらあっさりしており、ラスボスを倒したらなんかとりあえず終わった感じの雰囲気を漂わせてそれで終わりという感じで、説明もカタルシスも不足しています。
初登場時は非常に目立つ活躍をしてくれるのですが・・・。
ここはもう少し何とかするべきだったのではないかと思うところです。
少しおかしいゼロのキャラ
本作におけるゼロのキャラ付けなんですが、これまでのシリーズや、岩本先生の漫画版を読まれたことがある方なら、なんか違和感を感じるキャラ付けがされています。
クールでドライなところはありますが、熱血漢なところもあるキャラ付けなのは従来のとおりなのですが、本作ではそれを通り越しており、妙に短絡的で饒舌・浅慮なところがあります。
元々ゼロはエックスを最も近くで支える先輩的な立ち位置の役柄だったはずなのですが、本作ではエックスがリーダーシップあふれる正義漢として描かれているせいか、本来エックスでやるようなことをゼロでやっているように思えます。
言ってみればエックスとゼロのキャラが逆転しているような感じになっているといえます。
物語的にはたしかに盛り上がったとは言えちょっとこの扱いはよろしくないのではないかという気がします。
まとめ:非常に完成度の高いRPGロックマンX
ゲームシステム・世界観・オリキャラなど、どの要素を切ってもその完成度は高いといえます。
問題点も無視しようと思えばできるレベルで、気にならない人は本当に気にならないかもしれません。
この記事を書いている時点ではゲームキューブ版とPS2版しか遊べる環境が存在しないため、現時点ではプレイのハードルは高めと言えますが、もしプレイ環境を整えることができたら、遊んでほしい作品の一つです。