さて、今回もゲームBLACK CATについて語ろうと思います。
前回は原作と本ゲームの基本的な情報を述べましたが、今回は本作の評価にスポットを当ててみたいと思います。
本作がキャラゲーであることは前回の記事で述べたとおりですが、キャラゲーを語るならば避けては通れない話があります。
それはゲーム業界の格言、「キャラゲーに名作なし」という言葉です。
キャラゲーのクソゲー率
原作漫画をゲーム化したキャラゲーというのはともすればクソゲー率が高いことで知られています。
今より数十年前にさかのぼれば、ラブコメ野球漫画から野球とラブコメ要素を完全にハブにして売り出して原作者を激怒させたと噂のタッチ(ロクメガ生まれてないっす)、
賭け事(運ゲー)に明け暮れる以外やることのない、ちびまる子ちゃん。
近年のゲーム作品で言えば、友情をテーマにして作られたアニメから友情要素を穴あきチーズになるほど削った、ビビッドレッド・オペレーション、
金(リアルマネー)で買われたライダーが葛藤も何もなく、味方殺しに明け暮れる地獄絵図を描いた仮面ライダーサモンライドなど……
このようにクソキャラゲーとは時代を選ぶことなく生み出され続け、時に原作ファンを嘆かせてきたものです。
そもそもこの手の原作付きキャラゲーというのは、
「売り上げ+納期 > ゲームデザイン+完成度」
となっているので、真っ当な完成度のゲームを作り出すためには、作り手側の原作愛と確かな技術力が高いレベルで有している必要があるとロクメガは思っております。
キャラゲーで重要な原作愛
まぁ、別にキャラゲーじゃなくとも何かしら作品を作る場合、その作品に対する愛(あるいは敬意)がなければ作品の完成度は高いものにはなりません。
愛などというと少し大げさに感じるかもしれませんが、要は自分たちが作ろうとするものに対する理解度の深さと、それを形にする技術があるかどうかが問題なのです。
つまらないものはゲームだろうが映画だろうがアニメだろうが、このどちらかが致命的に不足しています。
では本作、BLACK CAT-機械仕掛けの天使-はどうなのか?
結論から言ってしまうと、中の上くらいの出来であると言ってもいいでしょう。
愛も技術も若干足りないかな? と思うところはありますが、致命的なバグや問題点はなく、シナリオ面では普通に面白いため、どんどん先に進めたくなる内容になっていることでしょう。
ただ、上で書いたように、「原作愛、技術、ともに若干足りてないかな?」 と思う部分もあります。
特に3Dモデリングのキャラクターの動きや描写に「あれれ?」と思う部分がちょっぴり目立ちます(RPGパートでの動き)。
またADV(会話パート)では立ち絵が重なるバグ、戦闘終了時の汎用台詞が一部途切れるバグがあり、作りの粗や雑な部分が隠しきれていないという問題点があります。
また、これは時間がなかったが故のことなのかもしれませんが、立ち絵・表情の差分が少ないですね。
表情差分、立ち絵グラはどのキャラクターも多くて3つずつ(一応クロノス時代のトレインなど例外あり)くらいしかパターンがないのは少々残念ですな。もうちょっと頑張って2倍ぐらいの量が欲しかったところです。
まぁ、原作愛が足りないかな? と思う部分がこれくらいなので、次は評価点を述べていきましょう!
作中動かす二人のキャラクター、トレインとイヴのモデリングは悪くない出来です。見事なアニメ調の3Dグラフィックです。
流石に近年の作品と比較すると若干劣るものがあるものの、出来は悪くないです。
原作で出てきた必殺技も中々の再現度! ちゃんと作られています。
次にストーリー!
実は今本編クリアに力を入れており、ほかの時間がとれてなかったりしますが、王道ながら続きを見させようとする力は十分に持っています。
シナリオの内容は完全オリジナルで、原作、アニメの内容には深く切り込んではおらず、かといって全く無関係とも言えない絶妙な塩梅で作られていて、ファンアイテムとしては優秀な部類でしょう!
週刊連載作品原作のアニメあるあるの「原作に追いついてしまったからアニメオリジナルをやりました!」っていう奴をゲームでやったような感じ。
普通に引き込まれるものがありますわ!
ライターさんも原作をしっかり読み込んでいるのか、キャラの人格崩壊といったものは起こっておらず、キャラクター達の掛け合いもグッド!
特に物語序盤でイヴが、かつて経験した思い出を、本作オリジナルキャラのイーリスに体験させてあげるっていう部分は、イベントCG付きで描写されていて、原作ファンもロリコン紳士も納得のイベントであるといってもいいでしょう!
原作を知らない人からすればただアイスおごってあげてるだけにしか見えないかもしれませんが、原作(or アニメ)を読んでる方なら、このシーンはスヴェンとイヴの出会いの一幕であることがお分かりいただけることと思います。
またアニメに出演した声優の皆さんの熱の入った演技も見どころ
(聞き所?)。
キャラクター描写に関していうなら、十分作られていると言ってもいいでしょう。
ここまで語ってきたように本作はキャラゲーの観点から見れば十分な再現度だと言ってもいいでしょう。
次回はゲームのシステム面に触れていこうかとおもいます。
では、今回はこれにて!
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