こんにちはロクメガです。
先日発売されたばかりの、風のクロノア1&2アンコールは、皆さんプレイされているでしょうか?
私は先日2回のライブ配信で、1の方だけ最後までやりきりました。
なので今回はまず風のクロノア 第一作目である、「door to phantomile」のレビューを行っていこうと思います。
※このブログではクロノア関連の記事および、ゲームレビューを投稿しております。
※それぞれの記事の一覧は下記のリンクを御覧ください。
3Dみたいな2.5D
本作はいわゆる2Dアクションに該当する作品であると同時に、3D要素を含んだ2.5Dと呼ばれる作品になります。
2.5Dと呼ばれるジャンルは今でもそんなに多くないジャンルで、本作もそんな珍しいジャンルのゲームとなります。
ただ本作は私が今までプレイしてきた中でも。3D要素というものを「これでもか!」というくらい存分に活用したゲームになっていると思いました。
2.5Dのゲームというと、見た目だけ3D化したような作品もありますし、実際ドット絵制作の手間を3Dキャラクターによって補っているような作品も見受けられます。
しかし本作は
- カメラの追従、
- ゲームを進めるための仕掛け、
- 主人公であるクロノアの移動ルート
このあたりに3Dの要素を存分に活かした作りになっています。
もう少しわかりやすく言うなら、2Dアクションとしてのゲーム性に、3D要素を可能な限り入れ込んでいるといえます。
操作において3D要素が存在するのは、捕まえた敵キャラを画面の奥・または手前に投げている場合くらいかと思います。
よって本作は2.5Dとは言いますが、操作性以外の部分はかなり3Dに寄っているとみなすことができます。
3Dみたいな2.5D・・・とでも言うべきでしょうか?
このタイプの2.5Dがどの程度業界に存在しているかはわかりませんが、この点一つとってもかなり異質かつ独自性の強いアクションゲームであることがわかります。
できるアクションは超シンプル!
そして本作の特徴の一つが非常にシンプルなその操作性。
主人公のクロノアは風のリングから風玉を発射することができます。
これで敵をふくらませることで敵を捕まえ、
- 攻撃のために投げるか、
- 2団ジャンプに利用する。
のどちらかに利用しつつ、ゲームを進めていくことになります。
その他にもヨッシーのふんばりジャンプのように、ジャンプボタン押しっぱなしで少しだけ対空することもできます。
このゲームのアクションはこれだけです。
やれることがとても少ないと思われるかも知れませんが、これはどうやら意図的なもののようです。
というのも本作の最初期のプロデューサーであるよしざわPは、
「ナムコが作る作品なら万人受けを目指したほうがいいのではないか?」
という考えがあって、可能な限りシンプルで奥深い作品とするためにこの仕様を取り入れたようです。
発売から25年経って、再び最新ハードでプレイできる環境でありながら、このシンプルさであることを鑑みるに、ゲームシステム面での大きな改革や変更は特になかったのだと思われます。
もとより本作は一度リメイクされたWII版のリマスター版+アルファな作品(らしい)なので、そのままゲームシステムを持ってきたのでしょう。
(私は本作が初クロノアなので、多分に推測が混じっています)
よしざわPのクロノア開発秘話のまとめを読みましたが、元より試行錯誤と制作方針の変更の末に完成されたシステムなので、下手にいじることができなかったのではないかとさえ思えます。
※開発秘話まとめはクロノアクロニクルで検索してください
※ネタバレを含んでおりますので、クリア後に閲覧を推奨します。
本作がこのシンプルさでも面白いアクションゲームであると言えるのは、それだけ完成されたシステムだからだといえます。
もしかしたら古臭さを感じる人もいるかもしれませんが、万人受けを目指して作られたアクションゲームであることは十二分に伝わってきました。
実際この少ないアクションだけで最初から最後までプレイすることになるわけですが、
- よく練り込まれたステージ構成、
- 敵配置、
- 敵の種類
といった要素が非常によくできており、最後まで飽きることなくプレイすることができました。
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評価点
ここからは本作の評価点について話していきます。
完成度の高いシナリオ・演出・雰囲気
おそらく本作最大の評価点。
本作はアクションゲームではありますが、実はシナリオ面でも非常に完成度が高いです。
物語として評価の高いシナリオ構成は数あれど、本作ほどゲームでしか表現できない物語を表現しきった作品はそう多くはないでしょう。
残念ながらこれを語ろうとすると本作のネタバレに踏み込まなければならなくなりますので、ネタバレを極力さけて語ります。
本作は主人公クロノアとプレイヤーをシンクロさせる要素がそこかしこに存在します。
代表的なのがファントマイル語と呼ばれる架空の言語での会話。
本作のキャラクター達は日本語を発することはなく、その架空の言語でやり取りし、プレイヤーは字幕でその意味を理解することになります。
これにより本作の冒険の舞台であるファントマイルという世界から、らしさやリアリティというものを存分に感じ取ることができるわけです。
それが本作の雰囲気づくりに一役買い、プレイヤーに強い感情を訴えかけてきます。
あえて日本語での演技を廃したことは評価点の一つと言えるでしょう。
また、主人公であるクロノアが会話をするキャラクターであることも評価したいポイントです。
主人公がしゃべらないことによって主人公とプレイヤーの一体感を狙ったゲームは数多くありますが、本作の場合はある程度主人公であるクロノアも喋ります。
前述の架空言語、ファントマイル語での会話も相まって、クロノアとプレイヤーは一体となってゲームの世界を冒険することができるわけです。
その臨場感たるや想像を超えると言っても過言ではありません。
他にも、
- クロノアが会話内で発する内容と
- プレイヤーが知っていること、
この二つを意図的にリンクさせているのもポイントです。
言っている意味がよくわからないかも知れませんが、クロノアが声に出して発していることは実はプレイヤーが冒険の端々で見て聞いて知っているものがほとんどです。
これは下手に喋らない主人公よりも高い没入感を生み出してくれているのではないかと思います。
- 世界観を徹底して作り込み、
- プレイヤーとクロノアをシンクロさせ、
- 世界を救う大冒険に出かける。
そうやって丁寧に作られた本作のクライマックスにおいて、プレイヤーとクロノアのシンクロ率は最大となり、非常に大きなカタルシスとなってプレイヤーの涙を誘います。
実際私もクライマックスのときは放心状態で、涙が止まりませんでした。
そしてスタッフロールの最後にも、ゲームならではのにくい演出があるのは、よしざわPのこだわりが垣間見えます。
このクライマックスで語られる事実を頭に入れた上で、もう一度シナリオを見返してみると、実は色んなところに伏線が仕込まれていることもわかります。
総じて本作のシナリオ及び演出はゲーム以外の媒体で表現しようとした場合、どこかしらが機能不全に陥る可能性を持っており、本作のシナリオはゲームだからこそ表現できたといえます。
実際よしざわPも
「ゲームでなければできないものを作ろう!」
という意気込みで制作していたため、その目論見は大成功だったと思います。
非常にシンプルなアクション部分
上で少し語りましたが本作のアクション面も高く評価したいところです。
上述したように本作は非常にシンプルで、クロノア自身のやれることも多くはありません。
アクションの拡張も特にありません。
しかし、それを
- 3Dで表現したステージ構成
- バラエティに富んだ敵キャラ
などで、ステージごとの差別化がしっかりと行われています。
プレイヤーキャラではなく、それ以外の要素で飽きさせない工夫が随所に存在します。
ステージごとのロケーションはもちろんのこと、丁寧に練られ作り込まれたステージ構成はアクションの少なさというハンデを物ともせずに楽しませてくれます。
終盤になるとパズル要素も出てきて頭を使わせてくれるので、そういう意味では歯ごたえもあります。
ただ難易度は(ノーマルをプレイした限りでは)全体的に低めと言えます。
私は配信で常に口を動かしながらプレイしていたので妙に難しく感じましたが、その後プライベートで淡々とプレイしていると、難しく感じていたところがあっさり突破できたんですね。
アクションゲームやるならやはり集中が必要ですなw
ハードゲーマーにはヌルいかもしれませんが、万人受けを目指すなら、間違った調整ではなかったといえます。
クリア後はハードモードも解禁されるので、さらなる歯ごたえを求める方は挑んでもいいかも知れません。
私もやってみることにします。
問題点
私が本作で感じた問題点は、風玉の判定が不安定であることです。
位置関係的にどう見てもあたっているはずなのにあたっていない(ように見える)ということが結構な回数あり、判定に疑問をいだいたほどです。
これを2.5Dの弊害と呼ぶべきなのか、はたまた不具合なのかは謎です。
このあたりはもう少し融通を聞かせてほしかったかなと思うところですが、プログラム的に難しいのでしょう多分。
また終盤の難易度の上げ方が若干即死に頼っている感じがしました。
とはいえ落ち着いて対処すれば問題ないレベルにとどまってはいるのかもしれません。
まとめ:ゲームでしか表現できないゲームらしいゲーム
- 万人受けを目指して作られたシンプルで奥深いアクション。
- ゲームだからこそプレイヤーの胸を撃った感動的なシナリオ。
本作はこのニ点を持ってして、プレイヤーから高い評価を受けた作品であることが伺えます。
Switch版には難易度イージーも存在するので、誰がプレイしてもクリアできないなどということはないでしょう。
よしざわPによる「クロノア誕生秘話まとめ」によると、発売当初はよしざわPが思った以上の売上を残せなかったであろう悔恨の念を伺わせる発言をしております。
本作は私の想像の何倍も面白かったゲームであり、衝撃的で感動的なエンディングまで到達すると、誰もが胸打たれて涙を流せるゲームであると思っております。
そこに至るまでプレイヤーに訴求できなかったというのはたしかに残念でなりません。
しかし本作は「ゲームだからこその表現にこだわって作られた作品」であることは疑いようがありません。
その内容からは少しでもいいものを生み出そうとする当時のスタッフの強烈な覇気のようなものを感じました。
折角現代に蘇ってくれたわけですから、ぜひとも多くの人の手に触れてほしいものです。
また本作をこれからプレイする予定の方はぜひともネタバレを封印した状態で遊んで頂きたいところです。
人を選ばないゲームではありますが、
アクション初心者や、胸を撃つ感動的なシナリオを体験したいプレイヤーには特におすすめしたいところです。
というわけで今回はこのへんで!
続編である「世界が望んだわすれもの」もクリア次第レビューしたいと思います。
というわけで今回はこのへんで!
最後までお読みいただきありがとうございました!
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