皆さんこんにちはロクメガです。
今回は先日ハードモードまでクリアすることができた白き鋼鉄のX2のレビューになります。
結論から本作に対する評価を短く言い表すと、
非常に賛否が割れそうな作品に感じました。
というわけで本作について色々語っていくことにします。
動画の方も投稿しておりますので、どちらか、あるいは合わせてご覧いただけると嬉しく思います。
※このブログではyoutubeでライブ配信でプレイした作品のレビューを行っております。
※レビューしたゲームの一覧は下記のリンクをご覧ください。
目次
ブレイクホイールの存在をどう捉える?
これまでのシリーズのアキュラは一言でいって空中戦を主体とするキャラでした。
3回しか使うことが出来ないブリッツダッシュのリソース管理を行いながら、なるべく地に足がつかないように飛び続け、ブリッツダッシュでぶつかった敵をロックオン→攻撃=クードスを稼ぐ。
そういう戦い方が求められるキャラでした。
しかし本作ではブリッツダッシュは空中で一度きりとなり、一度使ったら地上に降りなければ再発動できないという調整が施されました。
つまりステージ開始と同時に縦横無尽に動き回ることが出来ないわけですね。
その代わり追加されたのがブレイクホイールという新たな攻撃能力と、リコイルダッシュという新たなタックル攻撃。
ブレイクホイールはロックマンゼロシリーズで言うZセイバー、リコイルダッシュは敵や特定のオブジェクトを弾き飛ばすタックル攻撃になりますね。
今作ではブレイクホイールによる地上戦で素早くザコ敵を撃破することでクードスが貯まるので、クードス集めをするならこれがメインになることでしょう。
リコイルダッシュはザコ敵を弾き飛ばすのにも使え、ザコ敵をブレイクホイールでまとめて倒すのに使えます。
これもクードス増強に使え、公式の紹介動画でも紹介されていた戦い方の一つとなりますね。
過去作プレイ済みのプレイヤーはおそらくこの仕様に気付き、慣れるまでに時間がかかってしまうことでしょう。
実際私も初見ノーマルプレイ時はなかなかこの仕様に気づくことができず、ハードプレイ前に色々検証して気づくことが出来ました。
ODするとほぼ無限に飛べる!
そうやってクードスが1000貯まると自由自在に空を飛べるようになります。
ホバリングは5秒間継続でき、その5秒以内にブリッツダッシュでなにかにぶつかると、再びこの5秒のホバリング時間が始まります。
それ以外の制限は一切なし!
画像では伝わりにくいかもしれませんが、アキュラのキャラの下にあるゲージが時間で、このゲージが無くなると地上に降りなければならなくなります。
しかし、このゲージがゼロになることはほぼなく、ぶつかるところがある限り、いくらでも空を飛ぶことができ、過去2作とは比べ物にならないほど空中戦の自由が広がったと言えます。
クードス1000貯めることがただROROが歌ってくれるだけじゃなく、キャラの性能にそのまま直結する仕様になったと言えるでしょう。
つまり本作のアキュラは、クードスの状況によって地上戦と空中戦を使い分ける必要があるわけですね。
どっちつかずな仕様に感じる人もいるかもしれませんし、地上で爽快感あるアクションを可能にしたことを評価する声もあるかもしれません。
私としては、クードスの貯め方がわからない最初の段階で、初心者でも爽快感ある地上戦を可能にしたことは、素直に評価したいなと思っております。
ただ、地上戦での爽快感より、空中戦を自由に飛び回れる楽しさの方が上回ると思うので、慣れてくると徐々に地上戦が物足りなく感じてくるかもしれません。
ロックマンオマージュあふれるステージ構成
続いてステージ構成に話を移していきましょう。
これは言葉では表現できないところが多いのですが、ステージ構成は流石に長年2Dアクションを作ってきた会社なだけあって、どのステージもアクションを楽しませることに特化しているといえます。
ハードモードで残機集めのために宇宙ブロックを周回していた時でも、割と楽しみながら周回できたような気がしますw
オープニングのステージからして、屋内探索中にODでき、屋内→ちょっとだけ外→屋内→大きく空間が開けるという構成になっており、自由に飛び回る爽快感を実感できる作りになっていると言えます。
またステージ構成には過去作ロックマンの要素もふんだんに取り入れられ、過去にロックマンのプレイ経験がある方なら、ニヤリとできることでしょうw
森林ブロックは特にロックマンゼロ要素多めですが、他にも工場ブロックではロックマンゼロ3のキュービット・フォクスターステージの要素があったり、火山ブロックではロックマンX3のフレイム・スタッガーステージの要素があったりしますw
主にXシリーズ、ゼロシリーズの要素が多めになっているかんじですね。
ロックマン要素多めとは言いましたが、かといって過去作オマージュしか無いわけではなく、オリジナリティあふれる中ボスや新たなギミックも多数あり、ステージ構成の面では飽きさせない工夫が随所に施されていると言えます。
また本作は塔を登るという関係上、下から段階を踏んでステージのギミックやボス敵が強くなっていくという調整が施されており、初心者は上から順番にプレイしていけば徐々に難易度が上がっていく感じが味わえると思います。
ヒーリング無限+やりすぎ(?)な救済措置
本作は無限に全回復できます。
ゲーム序盤、アキュラはライフがかなり減った状態からスタートし、ヒーリングを使ってライフを回復させるという、チュートリアルから最初のステージが始まります。
なので初心者でもヒーリングの存在を逃すことは無いと言えるでしょう。
そしてRORO本人が口にしているように被弾モーション中以外はいつでもどこでも、何度でも回復が可能となっております。
これだけでも随分難易度が簡単に設定されているのだなと思うプレイヤーも多いことでしょう。
しかし、本作の救済措置はそれだけではありません。
まずレベル制。
コレ自体はガンヴォルトシリーズでは恒例のものとなってますが、本作でも健在!
雑魚を倒してEXPが貯まると、レベルが上がり、アキュラのライフポイントが増えます。
なので時間をかければどんどん強くしていけるという見方が出来ます。
過去作に存在していたカゲロウはありませんが、ステージ道中リトライマーカーを取っても回復するし、何よりこれまでの作品にも存在していた多数のパワーアップアイテム(このゲームではアビリティ表記)が、さらにアキュラを強化します。
その数確認しているだけで21個!
止まっている間はダメージを1にするというハイパーガードやHPをアップさせるというシンプルなもの、さらにはゴリオサポータなるゴリ押しを推奨するかのような装備までw
ある程度距離感がつかめてないプレイヤーでも若干の遠距離攻撃ができて、地上戦が楽になると思うので。
私もこれの有用性に気づいてからは結構愛用していました。
また全部で7つあるEXウェポンの中にも、あるかないかで難易度に大きな影響を及ぼすレベルの強力な武器があり、こちらはハードでも重要視するプレイヤーもいるかもしれません。
私自身その武器、タイムフリーザーの有用性に気づいてから、ハードでは最序盤でゲットするべきと判断し、一番最初にゲットしました。
ノーマルだと彼女と戦えるのは後半になってからですが、やはり最初に挑んでおいて損はない武器かなと思います。
とまぁここまで見てきた限りこれ以上無いくらい簡単にクリアできるとお思いでしょう?
ライフがゼロになっても復活できる仕様もあり、実際本作はそう簡単にゲームオーバーになることはありません。
ノーマルまでなら!
真エンド条件は地獄のハードモードクリア
さてここまで話してきたのはノーマルまでの話。
ここから先はハードモードに関するお話になります。
本作はこのハードモードを攻略することで初めて真エンドを迎えることができるわけですね。
本作のハードモードはノーマルのラストステージから分岐する形でスタートするので事実上ハードは物語の後半ということになります。
この仕様はおそらくこのゲーム最大の賛否両論部分といえます。
楽しめた人でさえ自分を指してイレギュラー呼ばわりしてしまうくらいです。
少し難易度の上がったモードをクリアして真のエンディングというのは同じインティ・クリエイツさん製作のロックマンZX・ZXAでも行われてきた手法ですが、本作の場合難易度のあげ方が尋常じゃないことになっており、ツイッターでも非常に賛否が分かれております。
過去インティさんはロックマンゼロでハードというの名の縛りプレイモードを用意し、ロックマンZXでは敵の攻撃パターン変化といくつかの救済要素の没収という形で高難易度モードを用意していました。
本作のハードモードはそれらを複合した上で、全ての救済要素をすべて没収するというやり方になっており、
・レベルは上がらない=ライフ増えない。
・ヒーリング没収=ボス戦は回避の仕方を覚えざるを得ない。
・ボスのスキルや動きが大幅強化
・強化要素のアビリティ没収
・残機制
・・・とまだあったような気もしますがとにかくあらゆる救済要素がすべて没収されています。
ロックマンを制作していた頃よりはるかに難易度が高い鬼のような難易度が完成し、それを真エンド条件に組み込むというデーモンの所業!
私もプレイしていて普通ここまでするか!? と驚いた限りです。
前作にも高難易度クリアでしか見れない会話とかありますが、アレはややメタフィクション的な会話なので、あくまでオマケの領域を出ていないため、問題なかったと言えます。
そもそもガンヴォルトは・・・
このシリーズのプレイヤーならご存知の通り、本シリーズはアクション上級者と初心者を両方取り込むことを想定した作りをしていました。
上級者はスコアラーとして、あるいは自主的に縛ったり、ハードモードを楽しみ、
初心者はシナリオだけでも最後まで到達して楽しむ。
そういう楽しみ方ができるのが本シリーズの良さであると言えました。
しかし、本作の仕様はシナリオだけでも楽しもうという層を、思いっきり突き放した仕様であると言えます。
本作はアクションゲームをある程度プレイする人向けの調整が施されているとは聞いてましたが、ここまでクリアのハードルを押し上げる必要はどこにもないのではないかと思いました。
プレイした私自身、楽しめなかったわけではありません。
最後までやりきったときは、歓喜のあまり咆哮をあげたくらいです。
しかしクリアすらままならないプレイヤーがでるのはどうしようもなく、救済要素の追加を願うプレイヤーを生み出してしまう結果となりました。
まぁ救済が来たら来たでこのモードプレイする人激減する可能性もありますが・・・。
と思ったら来ました!
【告知】Steam(PC)版『白き鋼鉄のX(イクス) 2』をVer.1.4.0にアップデートしました。更新内容は新規DLC対応、各所調整、不具合修正となります。詳細はSteamストア内のコミュニティをご覧ください。 #白き鋼鉄のX #白き鋼鉄のX2 #gunvolt
Steamストア:https://t.co/wA3s6GCbbE pic.twitter.com/vYyzvR5GZG
— INTI CREATES Official (@GunvoltOfficial) March 16, 2022
きょ、極端な調整ねまた・・・。
このことについては後日また記事にします。
シナリオも微妙にもったいない。
他にもう一つ気になったのが、本作は根幹設定に全く触れていないというところです。
本作の舞台となる世界の設定に関してはほぼ何も語られず、ガンヴォルト第一作目よりもず~~~っと薄味。
成り行きでやってきて、とりあえず戻ってきましたっていうただそれだけのシナリオになっており、シナリオ面での深みはあまり感じられません。
ラスボスやイプシロンなど、色々匂わせたり想像できたりするところや、明かされない謎も多く、ちょっともったいなかったのではないか? 思えてきます。
なにより平行世界の概念が本作で生まれてしまったため、今まで以上に何でもありに拍車がかかってしまい、シナリオを広げすぎてしまってはいないだろうかと、気になっております。
インティのガンヴォルト離れ?
少し私事をお話します。
私はこのシリーズは決して嫌いなわけではないにしろ、ガンヴォルト爪の続編ではなく、アキュラを主人公にした新作を出したことに「なぜ?」という気持ちを抱いてました。
また白き鋼鉄のX第一作目で判明したガンヴォルトシリーズとのつながりと、アキュラの描かれ方にも、少々懐疑的な見方をしてました。
ガンヴォルトの主役であるGVは二作連続で救いのないエンディングを向かえたのに、そのライバルとして登場したアキュラは、自らの暴言に対する精算をなにも行わないまま新作主人公に抜擢され、ヒーローとして描かれている。
アクションは面白いけれど本シリーズのシナリオ運びには納得できてないんですね。
ロックマンXシリーズのようにお話に矛盾はないけれど、プレイヤーの目線で見た場合アキュラの行動に納得できるものがない(私のワガママかもしれませんんが)。
そのうえ今回発売された白き鋼鉄のX2では、上記のようにガンヴォルトが元々持っていたアクションゲーマーを拡充するべく用意された要素をばっさり切り捨てるかのような仕様を取り入れました。
インティさん自身、GVが主役の物語を作るのも、初心者に配慮したゲーム性をもたせることからも離れたがっているのではないか? と思ってしまったんですね(まぁガンヴォルト鎖環作ってるのでそれはないと思いますが)。
事実本作に能力者は出てこず、アキュラの存在以外に過去作から持ってきた要素がほぼ無く、ガンヴォルトの系譜でありながらガンヴォルトから離れた作品であると言えます。
日本ではTHE OUT OF GUNVOLTの副題もありませんしね。
このシリーズの今後がどうなるのか予想は付きませんが、次回作たるガンヴォルト鎖環を、今は楽しみに待ちたいと思います。
というわけで今回はこのへんで。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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